各塗料の耐久性
1.塗料の基礎知識
塗料とは「顔料」「添加剤」「溶剤」「合成樹脂」これらの4種類を混ぜ合わせたものを言います。それぞれ違う効果があり以下の通りです。
塗料 | 塗膜になる成分 | 顔料 |
不透明塗料 (エナメル) |
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溶剤 (主要素) |
展色材 (ビヒクル) |
透明塗料 (ワニス・クリア) |
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添加剤 (副要素) |
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塗膜にならない成分 | 合成樹脂 |
- 顔料:塗膜の色、防食性を決定する材料であり、増量剤としての役割も持ちます。
- 添加剤:添加剤は、塗膜副要素ともいわれ、塗料の性能を向上させる補助薬品で、すべての塗料が含有するのではなく、塗装の目的とする機能や用途に応じて必要少量添加されます。 塗料の製造工程中に必要なもの、貯蔵中や塗装作業中、または造膜中に必要なものと種類は様々です。 添加剤は、極めて少量(多くても5%以内)しか含まれておらず、塗膜形成後、その効果は徐々に消滅してしまいます。
- 溶剤:樹脂、顔料などを分散し、塗りやすくする働きを持ちます。 大別して有機溶剤と水に分けられますが、最近は火災防止、安全衛生上の観点から有機溶剤系塗料から水性塗料への転換が急速に進んでいます。
- 合成樹脂:塗料のフィルムとしての諸性能(耐久性、耐水性など)を決定する重要な原料です。 合成樹脂は、耐久年数に関わるので塗料を選ぶ中で一番重要です。 種類は4種類あり「アクリル合成樹脂」「ウレタン合成樹脂」「シリコン合成樹脂」「フッ素合成樹脂」に分かれます。 それぞれの合成樹脂は「溶剤(油性、シンナー系)」「水性」に分類されます。
さらに「溶剤」「水性」は「1液タイプ」と「2液タイプ」の2つに分かれます。1液タイプは、缶をあければ、そのまま塗れるもの。 2液タイプは、「主剤」と「硬化剤」があり、混ぜることで塗装できるものです。これらのものを総称して「塗料」といいます。

2.各塗料の耐久年数と特徴
外壁塗装には「塗料をどれにするか」という選択がつきものです。低価格の塗料より高価格の塗料の方にもちが良いなどの性能面に優れたところが見られます。 コストとのバランスで選択することになります。代表的なものは下記の通りです。低価格なものから順に並べています。
- アクリル系塗料
- ウレタン系塗料
- シリコン系塗料
- フッ素系塗料
- 遮熱・断熱塗料
- 光触媒塗料
耐久年数に幅があるのは、同じシリコン塗料でもその中でグレードの違いがあったり、各メーカーによっても違いがあるからです。 塗装するタイミングは、約10年に1回が理想ですが、外壁や屋根の劣化状況により異なります。 劣化状況から適切な塗装時期を判断するには、「塗装の必要・塗替え時期」をご覧ください。
種類 | アクリル | ウレタン | シリコン | フッ素 | 遮断熱 | 光触媒 |
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外壁耐久年数 | 5~7年 | 8~10年 | 10~15年 | 15~20年 | 15~20年 | 15~20年 |
屋根耐久年数 | なし | 5~7年 | 8~10年 | 10~15年 | 10~15年 | 10~15年 |
価格 | ![]() |
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仕上がり | ![]() |
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メリット |
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デメリット |
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